敗戦から70年。戦後生まれの日本人が大半をしめ、戦争をじかに知る人物は減っている。戦争の記憶の風化に、いかに抗すればいいのか。戦争関連の資料を保存、展示することで、戦争の記憶を受け継ぐのが、全国にある戦争関連資料館だ。
人類史上初めて原子爆弾が投下された広島と長崎からは、広島平和記念資料館と長崎原爆資料館。沖縄からは、多数の民間人の死傷者を生んだ唯一の本土決戦・沖縄戦の惨状を伝える沖縄県平和祈念資料館と、ひめゆり女学生の悲惨な運命を伝えるひめゆり平和祈念資料館。東京からは、戦中の銃後の暮らしや戦後の映像、写真などを収集・保存する昭和館。それぞれの資料館から見えてくる戦争のありさまとは? 記憶を受け継ぐ資料館を、動画で紹介する。
※映像のなかには、戦争関連資料というテーマの性質上、傷病者や遺体などの写真や映像が含まれている場合がありますので、ご了承ください。
被爆の惨状を伝える「広島平和記念資料館」と「長崎原爆資料館」、沖縄戦を伝える「沖縄県平和祈念資料館」と「ひめゆり平和祈念資料館」、銃後の暮らしの映像資料を多数保管する「昭和館」の計5つの資料館をダイジェスト映像として紹介。
広島原爆の惨状を後世に伝える資料館。被爆直後の状況を再現した人形や、被爆で炭化したお米が入った弁当箱などの資料、実際に被爆をした被爆者の方の証言などを通じて、広島原爆の被爆の惨状を伝える館の様子を紹介する。
長崎への原爆投下に関する資料を展示する資料館。爆風で吹き飛ばされたキリスト教会・浦上天主堂の再現セットや、熱で溶けたロザリオなどの実物、放射線による後遺症の解説など、長崎原爆の被害を伝える館の様子を紹介する。
沖縄県・糸満市にある資料館。米軍の侵攻と日本軍の抵抗、巻き込まれた住民の集団自決など、軍人を上回る数の一般の沖縄住民の戦死者を出した沖縄戦の惨状を伝える資料館を紹介する。
看護要員として戦場に動員された「ひめゆり学徒隊」を伝える資料館。学徒隊の遺影や遺品、「ガマ」の実物大模型などを展示し、学徒隊が巻き込まれた沖縄戦の悲惨さを訴える資料館を紹介する。
戦中・戦後の生活に関する資料館。戦時下の東京の写真や映像のほか、東京大空襲の体験者のインタビューなどもアーカイブ化されている。銃後の暮らし、そして、復興に向かう国民生活の記録を収集・保管し続ける資料館を紹介する。